ファシスト・クレムリンのジェノサイドと闘うウクライナ軍民のレジスタンスを擁護せよ!
――日本の参戦国家化阻止! 外交政策としての侵略戦争国家への経済制裁賛成! 難民を救援しよう!――
最終更新 2022年04月05日 22:32
渋谷要
●今日は2022年4月4日だ。ロシア帝国主義は、電撃戦でのキーウ制圧に失敗し、キーウ周辺から撤退をはじめている。ウクライナ軍民は、ファシストと闘い徹底抗戦の末、開戦時以降、ロシア軍に占領されていた、キーウの郊外の町、ブチャ、イルピンなどの地域を奪還した(4月上旬)。撤退したロシア軍は、地雷を装備しながら、ベラルーシや、東部戦線に移動したとみられている。
ロシア軍は地雷を使っており、例えばそれは「POM-3」といわれるものだ。半径16メートルの殺傷力をもっている。これは国際条約で禁止されている対人地雷だ。
●ウクライナ軍民が奪還・解放したキーウ周辺の町では、ロシア軍部隊による、凄惨な、人民虐殺が暴露されることになった。ロシア軍は少なくともブチャで450名以上、ボロディアンカでブチャ以上の非戦闘員・民間人を殺害していることが、判明した。拷問の末、射殺するということが、ロシア軍部隊によっておこなわれていた。ウクライナ政府と、NATO諸国は、戦争犯罪として非難し国際司法裁判などのいくつかの刑事訴追を組織することが報道されている。ファシストたちの蛮行を断じて許すな!
この蛮行こそ、ロシア帝国主義が、ウクライナを根絶やしにする(両手を上げ、降伏した人民にも射撃しているぞ!)ことを、目的にしたものだということが、明らかになっただろう。レジスタンス断固支持!
●現在、ロシア帝国主義のクレムリンは、その犯罪行為はしていないとしつつ、ウクライナ侵略戦争の目的を「キーウ攻略・ゼレンスキー政権転覆・傀儡政権樹立→ウクライナ全土制圧」から、「ウクライナ東部解放→勝利宣言」へと変更するという観測が浮上してきている。その「勝利宣言」を、5月に行われるナチスドイツとの戦争に勝利した大祖国戦争の戦勝記念日の式典に、しようとしているとの観測がでている。
――――
●だが、これらとは、全く別の分析・観測がある。ウクライナでロシア軍の戦車軍部隊を阻んでいるのは、広範に広がった自然としての「泥濘地」の存在であり、4月下旬以降、その泥濘地が乾燥する。その乾燥を待って、ロシア軍の戦車部隊などが、ふたたび、キーウに侵攻をこころみるようになる、というものだ。それも、確実性を担保した分析だと考えられる(04・04現在)。
―――――
●1989年以降の「ソ連崩壊」として、スターリニスト共産党の独裁は崩壊した。「ノーメンクラツーラ(党国家官僚)」の多くは、ブルジョアジーになった。だが、その一方で、ソ連国家の官僚機構、とりわけ、警察治安機構は崩壊せず、ロシアに継続した。それが、旧KBG官僚・プーチン体制だ。彼がどういう傭兵を組織しつつ権力の座についたか、明らかになっている。それは、まさに、スターリニスト官僚機構からファシスト官僚機構への転化にほかならない。そういうことが、今日、ますます、明らかとなってきている(後日詳細する)。
●「NATOの東方拡大」(ポーランド、チェコ、ハンガリーなどが、NATOに加盟した)が、ウクライナ侵攻までロシアを追い詰めたという分析がある。政治力学的な分析視覚としては、そこでは攻防関係があるわけだから形式的には正しいだろう。だがそれは、こうしたクレムリンの立場からの分析だと、私は、考える。「反帝」の立場からそう主張する場合は、形態論的な「反帝闘争主義」でしかない、ということになるだろう。
まさにそれこそが、クレムリンの主張なのだ!
なぜ、ソ連から分かれた諸国が、NATOに加盟するのか。それはもう明確だ。ソ連から分離していった諸国に対し、大ロシアの「勢力圏」を強要し、そして、スターリン主義時代と同じ「制限主権論」のような考え方を、これらの国に強要し(今回のウクライナ侵略戦争が、まさしく、それを指示しているだろう)、専制と暗黒のクレムリン支配を復活させようとしたからだ。だから、これらの諸国は、NATOに入り、自分たちを守ろうとしたのである。
―――――
●この問題は、「政治思想」的には、反帝国主義と反ファッショ闘争との「区別と連関」の問題を含有するものだと思う。
「反帝」や平和主義だけでは、ウクライナ侵略戦争は分析できない、と考えるものである。
(続く)