2024年1月19日金曜日

パレスチナ連帯! イスラエルはガザ虐殺戦争をやめろ!【連載第一回】 渋谷要

 

【連載第一回】 パレスチナ連帯! イスラエルはガザ虐殺戦争をやめろ!

 ーーーシオニスト入植植民地主義者・イスラエル戦争国家権力を打倒せよ!

(最終更新 2024・02・10 16:11)

【第一回 はじめに】

                               渋谷要

 第一回【はじめに】資本主義国の戦争政策は、資本蓄積戦略の青写真が土台となっている

 はじめに、本論論者の「イスラエルによるガザ虐殺戦争」と「ロシアのウクライナ侵略戦争」をめぐる諸問題に対する、基本的なスタンスを表明することからはじめたい。

 

 ●ダブルスタンダード

 今は2024年1月19日だ。アメリカ合衆国権力はこの間、中東反米勢力に対する軍事行動を活性化させている。端的には、イスラエルに関係するとみられる紅海の船舶などに対する、イエメン「アンサール・アッラー」(蔑称「フーシ派」。2015年イエメンの政権を奪権。同国の北部中部を実効支配している。イランが大後方となっている)による武装攻撃・ハマスに連帯する軍事行動に対し、アメリカ中央軍による「フーシ派」の軍事拠点などに対する軍事報復を激化させているということだ。同時に、国連ではガザ虐殺戦争におけるイスラエル自衛権擁護の立場(例えば「停戦」をもとめる国連安保理決議に対する「拒否権」の発動)を鮮明にしている。これはどういうことかというと、合衆国は中東情勢でのいわゆる「安全保障政策」を優先し、ウクライナ支援を少なくとも、第一級の安全保障の課題としなくなるということを表示するものだ。そして、イスラエルを擁護しつつ、反米勢力と闘うという態勢をとりつつある。この態勢は、合衆国の権力者たちにとって従来からの基本パターンだ。

 こうした合衆国の動きは、ウクライナ戦争での(「国際秩序」—平和を重視し、武力での国家主権と国境などの現状変更を批判し、これと闘う)、パレスチナガザ虐殺戦争の(「国際秩序」を破壊し、武力での現状変更をおしすすめる国家を擁護する)という意味で「ダブルスタンダード」といわれてきたが、それはその通りで、「ダブルスタンダード」との批判は、それ自体、そうだと考える以外ない。

 だがしかし、本論論者の立場は、「ではなぜ、そうなるのか」という根拠を求める必要があるという立場だ。

★★ポイントは、資本主義国の戦争政策は、その資本主義にとってどのような「資本蓄積」戦略が、妥当か、ということで、政策決定されるということだ。★★

 ●資本主義の戦争政策は「資本蓄積戦略」で決まる

 例えばウクライナ戦争では、いわゆる欧米など「国際社会」は今まで、こういってよければだが「反ファシズム統一戦線」できた。それは、欧米日ー対ー中ロという、帝国主義間争闘戦における、政策決定としてだ。そこでは、「民主主義―対ー専制主義(全体主義)の闘い」という表現が、合衆国大統領の発言として表明されるなど、ファシズムの打倒で、欧米日の資本家階級と労働者階級の(こう言ってよければ、だが)「反ファシズム統一戦線」が構築できてきた。そこでは「資本蓄積」戦略との関係では、端的に言って現状の欧米世界が主導している世界資本主義経済秩序を守ることであり、そのための国家システムである「ブルジョア民主主義法秩序」を防衛することである。これは例えば、ロシアに対する経済制裁で、欧米日が一致した対応をとってきたことに端的に示されている。まさに市民社会と市場経済の秩序を維持し、これまでの経済流通と国際交易を確保するということにある。最もウクライナ戦争での経済分析では、これまで以上に、米軍産複合体の権益ということ等も、特に分析することが必要となる。他方、労働者人民の側は、全体主義ファシズムと闘うことで、階級闘争の法制的根拠などとなる「民主主義法秩序」を防衛することができるという、ことである。これはウクライナ戦争においては、ウクライナ軍の「指揮権」の下で闘う、ウクライナ民衆のパルチザンの戦いが、示してきたことに象徴されることだろう。そうした、資本家階級の資本主義経済秩序の利害防衛との「共闘」が、反ファシズム闘争では、実現する状況ができ、選択肢が選択されることがあるということであり、それが、まさに、ウクライナ戦争においては、選択されてきたということだ。

 まさに武装し市民社会に襲いかかる全体主義ファシズムに対しては、市民社会の一致した抗戦が、必要だというのが、本論論者の立場だ。

 一方、合衆国はガザ虐殺戦争では、イスラエル寄りであるが、アラブ世界にも配慮している。
 これは、ガザ虐殺戦争の戦後以降の、後述するようなガザのパレスチナ住民のシナイ半島への強制移住計画(例えば、yahooニュース2023年11月1日、川上泰徳氏の記事「ガザ全住民をシナイ半島に移送:流出したイスラエル秘密政策文書の全貌。ネタニヤフ首相の『出口戦略』か」参照)やガザ更地化での開発利権、さらに後述するようなガザ沖合の油田開発などとの関係で、どのようなスタンスが、妥当かを探っているということに他ならない。

こういうわけで、合衆国の議会では戦争予算の構成の仕方で、端的にはウクライナ戦争予算について、もめに・もめているのだ。クレムリンの侵略の前までは、ウクライナは基本的に、経済的には、中国との貿易をトップクラスの貿易相手国として、まさに「一帯一路」でやっていた国家だ。だから「戦後は信用できない」ということが、合衆国議会のなかの勢力の中にあるのではないか? 

 そういう、錯綜した情勢を、帝国主義国の「資本蓄積」戦略の多極性から分析してゆくのが、資本主義批判の革命的左翼の理論的スタンスだと考えるものである。もちろん、この「資本蓄積」戦略の対極に存在するのが、全世界の被搾取階級・プロレタリアートであり、被抑圧民族だ。

 まずこの点、まず初めの論点提起として、確認しておくことにする。(つづく)